2025年10月18日、 淡路島・ 洲本市文化体育館にて、 一般社団法人 淡路青年会議所主催の 10月公開例会 「世界を呼び 込む淡路島〜 インバウンド戦略と持続可能なまちづくり〜」 が開催されました。

近年、 淡路島では 年間900万人を 超える観光客が 訪れていますが、 その大半は 国内旅行者であり、 訪日旅行者は全体の1％にも 満たない状況です。 一方で、大阪・ 関西万博や関西国際空港・ 神戸空港の国際化、 さらに将来の IR開業などにより、 訪日旅行者増加の 機会が増えてきています。 こうした流れを 淡路島の持続的な発展につなげて いくためには、 観光を単なる集客活動 としてではなく、地域の自然や文化、 食、人の魅力を生かした「まちづくり」 として捉え直すことが 必要です。

そこで淡路島青年会議所では、 地域一体となった インバウンド戦略と、 持続可能な観光のあり方を考える機会として、 本公開例会を開催しました。

当日は、観光関係者、行政、地域事業者 など400名を超える方々が来場。 多様な視点から“淡路島の未来”に 熱い関心が 寄せられていることを 実感しました。

講演では、「初めて淡路島を訪れる 人に何を見せたいか」 「淡路島訪問前後にどんな場所を 旅している人を 迎えたいか」 といった質問を通して、「インバウンド」 という言葉に 内包された多様な ターゲットの 細分化と、 その理解の重要性を 共有しました。

「訪日旅行者が 求めている日本は、 “演出された日本”ではなく “生活感のある日本”」 
— 南　クリスティーナ

「地域に残る“当たり前”の 価値に気づかせてくれるのが、 インバウンドの 多角的な視点」
— 秋山　幸代

地域資源の見過ごされがちな価値を見出し、 活用していくことこそが、 観光やまちづくりの本質。 講演では、クリスティーナが 自身の実体験を もとにその考えを語り、 秋山からは 他地域での 具体的な事例を 紹介しました。

淡路島の圧倒的な強みである 「日本発祥の地」と「食料自給率100%超」 という事実にふれ、これらの魅力を 訪日旅行者に伝えるためにプロデュースした 体験ツアーについても 紹介しました。

このツアーは、 淡路島をはじめ 各地域の魅力に精通した ナビゲーターチーム 「Authentic Japan」 の皆さんと共に企画した、 少人数限定の プライベートツアーです。

淡路島の歴史や食の豊かさを 深く知りながら、 心と身体をリセットし、 自分自身と向き合うことを コンセプトにしています。

ツアー詳細：Awaji island tour
日本語案内：authenticjapan.travel

世界各国から訪れるツアー 参加者からは、
「私たちはこれまでも、 そしてこれからもこの ツアーを 友人や家族にすすめ 続けます。」
「どうかこれからも、このような 心がこもった、誠実で、 リアルな体験の 提供を続けてほしいです。」

といった感想が寄せられ、ツアーを 受け入れる地域側のモチベーション向上 にも つながっています。

講演の終盤では、淡路島が瀬戸内への 「玄関口」でもあることにふれました。 瀬戸内海は “隔てる海”ではなく“つなぐ海”。

瀬戸内各地で訪日誘客に 携わる方々のネットワークを生かし、 地域間で 連携していくことで、 滞在時間を のばしながら瀬戸内全体を巡る 「BLUE LOOP」 という新たな旅の 可能性が 生まれます。

今回の講演を通じてお伝えしたかったのは、 淡路島が「世界から選ばれる島」 になるための第一歩は、 “どんな旅行者に選ばれたいのか”を 淡路島の皆さんが 積極的に言語化して いくことに 尽きるということです。

淡路島にしかない魅力に共感し、 「ここに行きたい」 と心から思ってもらうためには、 その想いを育てる “ストーリー” が必要です。 そのストーリーを地域の方々とどんな言葉で紡いでいくかを 考えていくことが、 観光マーケティングの 本質だと考えています。

Inner Japanは これからも、 地域の人々と 共に日本各地の ストーリーを 紡ぎながら、 その土地の 魅力を国内外へ発信していきます。 本講演が、 淡路島の未来を考える きっかけとなり、 多くの方々に 新たな視点と行動のヒントを 届けられたなら 幸いです。